仲間3(悠馬)

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 調査の合間に本部に寄ると、招集が掛った。会議室に入る。  うちのトップも来るとか。司会は和泉さん。こんな大掛かりな会議に出席させてもらえるなんて、俺もちょっとは認めて貰えてる証拠かな。    大勢が会議室に集まる。一番前に和正が座っている。うちのトップ、初めて見る。年配の男性だ。相応の雰囲気がある。それに続いて秋、皐月の二鬼。和泉さんは前に立っている。どうやら司会らしい。和也さんに正也、笹島さん、青井さん、牧さんに木田さん、以下数名が後ろに続く。    全員がそろったところをみて、和泉さんが話し始めた。 「それでは、作戦会議を始める。今回の陣頭指揮は和正の下、私が取る。作戦の目的は、長く行方不明になっている三鬼の一人、京の捜索、接触そして説得だ。さいきんになりわれわれの近くで姿が目撃されている。このところの黒鬼や頻発している鬼の暴走被害などの観点からも一刻も早く京に組織復帰をしてもらいたい。あくまでも、穏便に進める。ただし、状況によっては戦闘になることも十分に考えられるので、そのつもりで備えてもらいたい。では、次に具体的な作戦だが、まず正也。」 立ってっと和泉さんが正也に合図する。 「初めての者も多いだろうが、和正の二男だ。」 正也は頭を下げる。二男?二男つった?俺は驚く。 「なんらかの理由で、京は正也の周辺に出現している。理由については不明だ。正也への接触を試みてくる可能性が高いため、それを利用する。簡単に言うと、囮になって貰う。次に、正也の護衛として、悠馬。」 え、 俺はいきなり名前を呼ばれて、ぽかんと和泉さんを見る。和泉さんが俺をみて頷く。俺は立ちあがって正也がしたように頭を下げる。 「高校生ということもあり、これまでサブのスタッフとして動いてもらっていたが今回は正也と行動を共にしてもらう。前回の京および黒鬼の出現時にも立ち会っているため適任となった。」 和泉さんが座って、と合図する。 「この二人の周りに、秋、それから和正、皐月ペア、和正と皐月の不在時には私と和也が代行。笹島、青井組、牧、木田組を中心に配置。現場指揮は笹島。実行は明日より。連日正也、悠馬の学校が終わってからが本格的な作戦時間帯となる。二人には指定した区域内を歩いてもらう。詳しい内容は手元の資料と、笹島から。私からは以上。質問は。」 誰からも質問は出ない。
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