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「正也のタイプってどんな感じ?」
「何、急に。」
「なんとなく。」
「うーん、まあ、どうだろうな。気の強そうな感じが好きかな。」
「そーなんだ。」
「お前は?」
「俺はー、おとなしい感じの子かな。そういえばさ、この前の皐月、めちゃくちゃ美人だな。鬼っていうのは、みんな美形なのか。秋もだし、京もだし。」
「あー、それな、言っていいかわかんないんだけど。」
正也は少しためらう。
「何だよ。なに?言えよ。」
「皐月な、あれ、俺の母親。」
は?
「え?母親?って。」
「うん、俺も母さんが鬼だってことはついこないだ知った。兄貴も知らなかったみたいで。」
「え、じゃあお前ら兄弟って。」
「うん、半分は鬼らしい。」
「うそだろ。」
にわかには信じがたい。というか正也から鬼なんて感じない。和也さんからも。
「マジらしい。自分じゃわらかんが。」
俺はびっくりして黙ってしまう。
「俺のこと、こわい?」
「え、そういうんじゃなくて、ごめん、びっくりした。」
「そーだよな。」
正也はいつもと変わらず普通に話してる。けど、内心はそうじゃないよな。
「お前、大変だな。」
「ん?なにが?」
「いろいろあって」
「うん、もうワケわからん。」
ははっと笑う。
笑うしかない、か。
「俺で、できることあったら、言えよ。」
「ありがと。でも、正直お前がいてくれてよかったよ。同級生もいるんならって思えた。」
「そうか、よかった。」
なんか、どういっていいかわからない。そんなことを言っているうちに、日は落ちかけて今日のところは引き上げることにした。それから数日、うろつくも成果なし。
「なあ、悠馬」
「ん」
「中学行ってみるか?」
「え?」
「区域ないだし。」
「おお。」
ちょうど、今日の行動範囲に入ってたな。
俺たちは正也の学校近くで落ち合ったので、電車に乗って移動。俺がいつも使っている、地元の駅で降りる。改札までいくと見たことのある後ろ姿。
海だ。
俺は声を掛けるのをためらう。今の状況だと。
「海~。」
正也が声をかけちまった。ま、いっか。
海が振り返る。
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