仲間3(悠馬)

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「どうやら、時間がないようだ。出来れば手荒なことはしたくないが。」  敵が動く。  俺は構えた、はず。全身に衝撃、吹っ飛ばされた。見えなかった。    正也が海に抱きつくのが見える。 「離れなさい。」 鬼が二人の前に立っている。銀髪の細い体。 「いやだ。」 正也は海にしがみつく。 「怪我をしますよ。」 鬼は正也の肩に手を掛ける。  シュッと空間を裂く音。    同時に空間が二か所で裂ける。それぞれから何かが飛び込んでくる。一人は秋。もう一人は、京。子供の姿だ。すかさず京は敵に飛びかかる。  奴はそれをかわしつつ、秋に向かう、と見せかけて、器用に二人をかわし、姿を消した。  正也と海の横に京が立っている。 「京。・・・・・・京、お前戻ってこい。俺の、俺たちのところへ。」 正也が京に向かって言う。  京が正也をじっと見ていたが、ふっと顔を逸らす。  突如、和正と皐月が姿を現す。 「和正・・・・皐月。これは、お揃いで。」  そう言った京の表情が険しくなる。  和正は京に向かって手を差し出す。 「私たちはお前と争う気はない。わたしたちは仲間だ。戻ってこい、私のところへ。」 「・・・相変わらずだな、お前。勝手なことばっか言いやがる。ごめんだね、正也はもらってく。」 京は正也の腕を掴む。  ガツンっ京が吹っ飛ぶ。 「お前なんかに、渡すか。」  海が京を殴った。  あいつ。 「ってえ」 京は起き上がって、海を睨む。  やばい。京の体から炎が沸く。至近距離。炎は海に向かう。 「やめろ、京っ」 正也が叫ぶ。  海は腕で顔を覆う。が、炎は海の前で止まった。海の前に飛び込んだのは、皐月。炎を受けて、地面に崩れ落ちる。 「皐月っ」 和正が叫んで掛け寄る。皐月を抱き起こす。 「お前っ」 和正は京を睨む。 「な、あんたにとって大事なのは皐月だろ。あんたが呼ぶのはいつも皐月だ。俺じゃない。そんなんで、よく俺に戻ってこいなんて言えたよな。」 京は怒るというよりは、さびしげにそう言い残して消えた。 「京っ、、、待てっ。」 秋が叫んで、秋の姿も消える。
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