仲間4(海)

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 ここどこだ?  俺は、確か。 「気が付いたか?」  声のする方を見ると悠馬がいる。 「俺・・・。」 「気を失ってただけだから。」 「そうか、ここは、、、正也は。」 「大丈夫、ここは病院。正也はさっきまでいたんだけど今ちょっと席をはずして、すぐに戻るよ。」  俺は部屋を見回す。  病院、ね。静かだな。 「あの人は?」 「ん?」 「俺を庇った人。」 「ああ、大丈夫。大したことなかったみたい。」 「よかった。」  炎に包まれてたけど、本当に大丈夫なのか。 「海。」  悠馬が俺を見る。 「ん。」 「その、、、」  言葉を探してるようだけど、なんだろう。俺は悠馬の言葉を待つ。 「今回も結局巻き込んで、そんでこんなこと言うと怒るだろけど、他に上手い言い方も思い浮かばなくて。」 「ああ、なに。」 「心当たりは、ない?最初に出てきたやつ、あいつはお前を狙ってた。正也でも俺でもなく。」  そうだ、確かあいつはそんなことを言ってた。 「いや、ない。」 「じゃあ、やっぱうち関係だよな。ほんとすまん。」  悠馬は頭を下げる。  え。 「やめろって、何だよいきなり。」 「なんだよ、じゃない。お前を危険に晒してる。無事だったからいいものの下手すりゃ死んでたかも、今日だって。」 「いいんだよ。」  悠馬は怪訝な顔で俺を見る。 「なんだよ、なんか俺怒られてんのか謝れてんのかわかんねーな。」 「あ、ごめん、つい。」 「いいんだよ。正也のためなら、お前らの事については俺にはよく解らねえけど。正也はずっと一人だったんだ。あいつは自分で気が付いてねえだろうけど、正直見てるのも辛いくらいで。だから、俺はあいつと一緒にいようって思ったんだ。俺だけはって。さいきんあいつの周りには人が増えて、お前だって正也の傍にいてくれてる。あいつはそういうのに応えて変わろうとしてる。よかったよ、ほんとに。でも、だからって俺が変わるわけじゃない。これからも俺はあいつの傍にいる。それで何かに巻き込まれたとしても、それは仕方がないと思えるさ。」  まるで、告白だ。正也の傍にいたいという俺の心。話し出したら、止まらない。
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