仲間4(海)

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 正也がくれた小さなメカを取り出す。小さなランプがチカチカ点滅してる。作動しているサインかな。どういう効果があるんだろう。辛くなったらといわれたが今のところ何もない。なんか電波とかが出てるのか。とりあえず、ポケットに入れる。    “これで終わりじゃない”か。他のやつなら勘弁してほしいと思っただろうが、正也に言われるとうれしい。距離が縮まった気さえする。    抱きつかれた感覚を思い出す。抱き締め返しときゃよかった。いったい何を思って抱きついたんだか。俺の気持ちを知ってる癖に。あいつのことだから何も考えてないんだろうけど。  昨日の事を思い出してみる。俺を狙ってたって言ってたな。どういうことだろう。何のために?“私には必要ないようです。”俺の何を必要としてるんだ。  あの男、いったい。 「、、っつ」  一瞬胸の奥で何かが疼く。なんだ、このいやな感じ。 「くっ」  触手が正也の首に、身体に巻き付く。正也。いつの間にか触手はあの金髪の美形に変わる。正也を後ろから抱きしめる。やめろ、正也に触るな。 「・・っ」  自分の部屋だ。いつの間にか眠ったらしい。  変な夢を。  触手。昨日自分の体に巻き付いたのを思い出す。ゾクッと寒気がする。  悠馬に怖くないのかと聞かれて、あのときはああ答えたけれど、こうして一人になってみると急に恐ろしさが込み上げてくる。正也と悠馬といることで安心してた自分に気が付いた。  ポケットに手を入れて、正也がくれたメカがあることを確認する。大丈夫、守られてるらしいし。とはいうものの、なんとなく心配になってリビングへ下りる。  妹の雫がテレビを見てる。 「昨日大丈夫だったか。」 「何が。」 「俺いなかったけど、なんもなかった?」 「なにもないよ。」 「親父とお袋は?」 「お父さんは仕事、お母さんもパートだよ、どうしたの?お兄ちゃん。」 「何もないけど、お前はさいきん周りで変なことないか?」 「変なこと?」 「物騒だからな」 「大丈夫だけど、なんかあった?」 「いや、ちょっと変な話きいたから、できるだけ早く家に帰るようにしろよ。」 「変だよ急に。お父さんみたい。そうえいば、このまえ来てた人だれ?」 「ああ、悠馬だ。中学の同級生だけど、さいきん仲良くなった。」 「そうなんだ。なんか、変わった人だね。」 「変わった人って、お前ちょっとしか見てないだろ。」
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