はじまり (正也)※R-18

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 俺に手伝いを断られた海は、冷たいとかなんとかぶつぶつ言いながら、まだ同じ場所に立っている。一通り洗い終わって、食器を拭こうとふきんを探す。    見当たらない。洗ったっけか。ふきんを入れてある引き出しに手を伸ばす。引き出しの前には海がいる。この巨体、邪魔だ。ひとが引き出しを開けようとしてんだから、どけよ。 「だから、ちょっとどけって」 イラっとして、海の方を見る。 海がこっちを見てる。グイっと肩を掴まれる。 「ん、、、、」  は?  目を閉じた海の顔がアップで見える。  唇に柔らかい感触。    !!!  キス?!  そのまま、俺の頭は真っ白になった。  少しして、口の中にぬるっとした感触がした。  ありえねーーーーー。  海のやつ、舌を入れてきやがった。ふざけんじゃねぇ!なにしてんだ!    力いっぱい海を突き放す。ようやく海は俺から離れる。海の息が上がっている。目が、マジだ。おいおい、まじかよ。何なんだ。 「な、な、なんで」  俺はやっと発した言葉が、上ずってしまった。あたりまえだ、男友達にキスされるなんて、ありえない。  海の目が、やばい。  本能的に身の危険を感じる。距離をとろうとしたが、掴まれたままだった肩が再び引き寄せられる。海の腰が、俺に密着する。  !!!  な、こいつ、、、 うそだろ  俺はパニック状態。暴れるが、海の力に敵わない。 「海、離せって、おい、海」  とにかく逃げようと俺は暴れる。 「好きだ」 海の絞り出すような声。  え、、、  いま、なんて、、、  俺を抱きしめていた海の腕に力がこもった。 「好きだ、正也」  今度はしっかり聞こえた。  好きって、、、なんで 「な、に言って・・・離せ。」  俺は海の腕を振りほどく。海は真剣な顔でまた言った。 「好きだ・・・正也。」  面と向かって、告白された。  俺は頭に血が昇る。  ええ?!  好きって、そういう好きですか??  何言ってんだ、何言ってんだ、何言ってんだ。そればかりが繰り返し頭に浮かぶ。  俺の頭の中が渦巻き状態なのをいいことに、海はまた俺にキスをしてきた。どうしていいかわからず、されるがまま。重なりが深くなる息が上がる。我ながら、恥ずかしい声が出る。生理反応です!    海はキスを止めない。俺は頭に血が昇って、何も考えられなくなる。
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