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わしゃわしゃと乱暴にアカネの頭を撫でる。くすぐったそうに目を細める姿は猫のようだ。
猫…。試しに獣耳が頭に生えているアカネを想像してみる。
『にゃー!アカネ、何故か猫耳が生えてしまったです!』
『都合よく口調も猫なんだな。…ねこじゃらしで遊ぶか?』
『アカネはパワポケさんと一緒なら何でもいいです!にゃーにゃー』
…あれ、鼻の奥から熱いものを感じる…
「あれ?パワポケさん、今度はクスクス笑ってどうかしましたか?」
「いや、現代人は野性味が必要だと思って」
アカネはぽかんと目を丸くする。―――しまった、何を言っているんだ俺は。
いきなりこんな事を話されても会話に困るだけではないか。
しばらくアカネはうむむと唸り、アホ毛をピン!と立てて何か閃いたらしい。
「パワポケさんは野性味溢れる女性がお好みですか!」
「……………え?」
俺は侮っていた。アカネの飛び抜けた思考回路を。
目の前のアホ毛少女を今度は俺が目をぱちくりする番だ。とても…嫌な予感がする。
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