船の上で

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「ざわざわ……」 「?」 甲板に妙な人だかりが出来ていた。 人だかりと言っても、6~8人程度だが。 その人だかりに共通する所は、柄がいかにも悪そうな所だ。 パッと見ヤクザだ。 とりあえず、バニラを探す。 が、いくら探してもいない。 「船室にもどったのか」 ファロオはヤクザの集まりを気にしつつ、船室に向かった。 が、船室にもいない。 「ん~っかしーなぁ」 ぼりぼりとその赤い髪を掻く。 「きゃああああっ!!」 「!?」 甲板の方から、少女の叫び声が聞こえた。 「おい、何してる!?」 「うるせえ!!」 「ぐあっ」 「やめてください!!」 「………!!」 「そいつを離せよっ!!嫌がってんだろ!!」 「黙れ!!」 「あうっ」 どうやら甲板で騒ぎが起きているようだ。 (…………!!) なんだか、嫌な予感がした。
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