船の上で

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ファロオは勢いに乗って甲板への扉を開けた。 そこにはオーラン、キャシー、ソプラノ、ランド、そしてバニラがいた。 「バニラっ!!」 先程のヤクザが囲んでいたのはバニラだったのだ。 何があったのか、バニラはヤクザのなかで一番大きい男に胸座(むなぐら)を捕まれ、宙に浮いていた。 「あ……う!!」 「へへへ……俺達に盾突いたんだ、ただじゃ済まさねーからな」 「嫌……っ!!離して!!」 バニラは苦しそうにヤクザの手を振り払おうとするが、いくらアルスの特訓を受けても、所詮は女。 筋肉質な巨人ヤクザの太い手を振り払う事など出来なかった。 「ファロオ!!」 「オーラン……なんなんだ、これ!?」 「わからない……!!僕らが来たときにはこうなっていたんだ」 オーランは気絶しているキャシーを抱えながら話した。 「やめてください!!嫌がっているじゃないですか!!」 ソプラノが決して大きくない、けれども威厳ある声で訴える。 「んん?何?君もこうなりたいの?」 一人のヤクザがソプラノを睨む。 「……っ!!」 何人かのヤクザは木刀を持っている。 「ソプラノ、君は下がって」 ランドがソプラノの前に立つ。 「うぁ……苦………しっ」 巨人ヤクザはさらに力を加え、バニラを苦しめる。
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