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「そいつを離せ!!」
ファロオは大きな声で叫んだ。
同時にヤクザ全員が、ファロオを睨んだ。
「……あいつ、やっちゃう?」
「そーだな、反省の色なしっぽいしな」
正直な話、ファロオにヤクザ8人を倒すような力はない。
アルスの修業を一年受けているが、だからといって14歳がヤクザ8人に勝てる理由にはならない。
それでも、やらなければならない。
救わなければ、助けなければならない。
ファロオにとって、バニラは何物にも変え難いパートナーであるからだ。
瞬間、バニラを苦しめているヤクザ以外がファロオに飛び掛かった。
「マジックアロー」
ドシュシュ!!という音と共に、2人のヤクザが青い光に貫かれる。
「ぎゃあ!!」
「うぐ!!」
マジックアローを放ったのは、ランドであった。
残りの5人はファロオに飛び掛かってくる。
「ファロオ、伏せて!!」
オーランの叫び声に反応し、ファロオは反射的に伏せる。
「右に転がりながら、木刀を斜め前に振って!!」
オーランの指示に従い、木刀を振る。
「ごあっ」
木刀が偶然か、2人に命中した。
「オーラン、お前……?」
「なんとなくだけど、分かるんだ。感知タイプだからかな、あいつらの攻撃パターンが分かる……!!」
「じゃあ、指示を頼む!!」
「ああ!!」
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