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シュルウ大図書館――。
「どーしても行ってしまうのかね、ソプラノちゃん」
「はい……私の、小さい頃からの夢ですから。」
そう言い放ったのは、羊の角をつけているピンクの髪をした少女だった。
少女の名前はソプラノ。
11歳でシュルウ大図書館館長に大抜擢され、14歳の今に至るまで支持され続けた人物だ。
ソプラノもまた、トリックスターに挑戦する一人だ。
「一人でいくのかね?」
「いえ……幼なじみと」
「ソプラノちゃん、幼なじみなんていたのかね?」
シュルウ大図書館副館長のメノウは不安そうに尋ねた。
「はい。無口ですけど、優しい人ですよ」
「そうか……怪我しないようにな。」
「はい!!メノウ副館長こそ、お元気で!!」
元気に言うと、ソプラノは思い出深いシュルウ大図書館の扉を開いた。
「泣いているのか」
「え……?」
ソプラノが振り向くと、そこには青い長髪をした少年が、近くの木に体を預けていた。
「淋しいなら、行かなくてもいいんだぞ」
「行きます……行きますよ、ランド」
ランドという青い長髪の少年はフッと僅かにわらうと、カバリア島行きの船に向かった。
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