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そういえば、俺の中では1つの大きな問題に直面している。まあ、薄々気づいてはいたが、俺以外みんな女らしい。あと、個性派が異常に多いらしい。まあ、仕方ないか。女子校だし。
「えっとですね、下着もここにおいておきますね?」
「なぜあるんですか!?」
「予備ですよ、予備。」
そういえばこの学校にも金があったなぁ、大金。
「では、そこで着替えてくださいね。逃げたら許しませんから。」
「え…」
「許しませんから。」
「…はい。」
着替えながら俺が女子を苦手になった理由を言っておこう。一番大きな理由は雪叔母さんや坂木さんのように、俺を弄ってくる人のほとんどが女性であるということ。2つ目は昔女子に虐めを受けていたこと。3つ目は…まあ、簡単に言うと、女子に対して耐性がないということ。まあ、大きくこの3つだったりする。
「いいですよ。」
「では…まあ♪可愛らしいこと。じゃあメイクするので、そちらに座ってください。」
何て言うか、もう俺が男であるという認識が崩れていってる気がする。
「んー…付け睫とかって大丈夫?」
「初めてなので何とも言えませんが。」
むしろ言える方が変態、というものだろう。
「物は試しって言うし…つけてみよっか。」
「その辺はお任せします。」
うん、わかる方が変態なんだ。別にただやられるだけなら変態ではない、そう信じたい。
―15分後。そこには(男の姿から)変わり果てた俺の姿があった。
「あとはウィッグとカチューシャで完成ね。」
いつの間にか敬語が外れていることは気にしないでおこう。うん、気にしたら負けだ。
「それじゃ、行こっか?」
「え…」
「嫌ならこのまま学校に行く?」
「…行かせていただきます。」
追い詰められると何も言えなくなる俺。ヘタレだなぁ…
―休憩室。ガチャ、というドアノブに続けて坂木さんがまず入った。
「可愛いの拾ってきた♪」
「見せて見せて!」
「あなた、可愛いのって…」
「是非ともメイド長には見ていただかないと。」
「またですか。」
また、と言うことは過去にも色々拾ってきたのだろう。それが人であることは珍しいに違いない。いや、毎回人だったら終わってるけど。いろんな意味で。
「ほーら、入っておいで?」
「恥ずかしいですよぉ…」
「…まさか、人?」
「うん、とっても可愛い男の子。」
全員が、あ、あの人か、という反応をする。まあ、普通か。
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