1限目 幸か不幸か女子校行き

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「そろそろ見えてきたわね。」 「でかっ!?」 俺の目の前にそびえ立つ2つの門。何て言うかとんでもなくでかいお屋敷みたいなもの。 「ちなみに、ここは全寮制です。」 「あ、わざわざご丁寧にどうも。」 なぜこのタイミングで言ったかはすぐにわかった。後ろの門が閉まると、自動で鍵が閉まったからだ。 「ところで、お宅の学園との関係の話は…」 「船の上で聞かせていただきました。」 「そう。ならいいです。やったらぶち殺すからなこの野郎。」 キャラ違いますよ。 「あれ、卓也くんじゃない?」 「あ、ゆ…冬森先生。」 「いいのよ、2人の時は雪ちゃんって呼んで?」 「雪、授業は…」 「可愛い甥っ子君のためだもん♪」 ちなみに先程のアレでもあったが、俺は身長がかなり低い。確か、146だっけな…その上童顔なので、小学生とよく間違えられる。 「それじゃ、行こっか?」 「行くってどこに…」 「学校巡り♪」 まあ、んなこったろうと思ったよ。 「あの、窓から生徒さん見てますよ?」 しかも大勢。 「あの子かな?」 「ちっちゃいね。」 「もしかして飛び級とか?」 「あの子、うちに飾っておきたいわ。」 「あ、わかるわかる。着せ替えとか?」 「それは可哀想だって。」 全部聞こえてますよ、ええ、全部。 「こら、あなたたち、授業に戻りなさい!」 「ちぇー。」 ゾロゾロと帰っていく生徒たち。結構素直なんだな。 「さて、私は鞄をあなたの部屋においてきますので、冬森先生と行ってらっしゃいな。」 「でも…」 「いいからいいから。」 「…では、お言葉に甘えさせていただきます。」 「はい、では行ってらっしゃい。」 学院長は寮の方へと車を走らせた。 「しっかしまあ、雪叔母さんがここに勤めているとは…」 「もう、雪ちゃんって呼んでって言ってるでしょ?」「さすがにちゃん付けは恥ずかしいですよ…」 俺だって男だしな。さすがに身内をちゃん付けで呼ぶのには抵抗がある。 「もう、言うこと聞かない子はお仕置きだぞ?」 そう言って叔母さんは鞄の中からペンを取り出すと、 「ほらほら、呼んでくれないなら書いちゃうぞ?」 と囃し立てる。 「それ油性じゃねーか!?」 「もっちろん♪」 こうなったら逃げるしかない…と思っていたらすでに手を捕まれていた。 「さあ、さあ…」 「冬森先生、何やってるんですか。おや、そちらは…」
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