1限目 幸か不幸か女子校行き

4/7
前へ
/7ページ
次へ
「えーと、初めまして、冬森先生の甥で、明日からこの学校に通わせていただく川越卓也です。」 助け船が来ました。俺はとっても幸せな気分だ。 「あー、例の。私は鷹舟玲子って言うの。名前がアレなのは気にしないで。」 「気にしたらどうしますか?」 「全裸にして逆さに吊るす。」 「すいませんでしたぁ!?」 普通の人はいないのか、普通の人は。 「って冬森先生、可愛い甥っ子はわかりましたが虐めるのはよくないですよ?」 「え?虐めてなんかないですよ?ただ単に雪ちゃんって呼んでくれないから正当な罰を…」 それのどこが正当なんだか。俺は心の中でそう思った。 「ふーん?それならこれを…」 そう言って玲子先生が取り出したのは黒い猫耳のカチューシャ。 「まあ、気が利くのね♪」 「な゛!?」 まさかの展開。とんでもないところに来てしまったみたいだ。 「私が押さえといてあげる♪」 玲子先生の豊満な胸が背中に当たる。俺はもがこうとしたが、女の人の力とは思えないほど強い力で押さえつけられてしまった。ついでに尻尾もつけられてしまった。 「さあさあさあ♪」 俺は弄られながら、あんたらはホントに先生なのか、と聞きたくなってしまった。 ―校内。猫耳と尻尾をつけられ、顔に猫髭と猫鼻を書かれた俺は、少し機嫌が悪かった。 「もう、卓也くん不貞腐れないでよ、可愛いんだから。」 「ちょっと待て、元々の原因は雪おば…」 「あれあれー?首輪もあるんだよー?」 「何でだよ!?」 心の中から素でツッコむ俺。なんかもうこの人はよくわからない。ただのドSなんじゃないかと思う。 「い、一回だけだから…その…雪…ちゃん…」 「じゃあ定着させてね?」 「何でだよ!?一回だけっつったろが。」 「首輪…」 と言ってバッグから首輪を出す雪叔母さん。まさかホントに持っているとはな… 「何で持ってるんだ?」 「卓也くん用だよ?」 「はぁ!?」 俺専用の首輪らしい。明らかにペットとして飼おうとしてやがる。どんな教育受けてきたんだろう、この人は。 「ちなみに鎖もあるよ?」 「誰も聞いてないからな。」 相変わらずマイペースな人だな。いい意味でも悪い意味でも。 「さ、つけて?」 「さすがにそれは勘違いされるからやめてくれ。」 「例えば?」 「飼い主とペットみたいにさ。」 「違うよ、ご主人様と愛猫だよ?」 「一緒だよ!?」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加