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「えーと、初めまして、冬森先生の甥で、明日からこの学校に通わせていただく川越卓也です。」
助け船が来ました。俺はとっても幸せな気分だ。
「あー、例の。私は鷹舟玲子って言うの。名前がアレなのは気にしないで。」
「気にしたらどうしますか?」
「全裸にして逆さに吊るす。」
「すいませんでしたぁ!?」
普通の人はいないのか、普通の人は。
「って冬森先生、可愛い甥っ子はわかりましたが虐めるのはよくないですよ?」
「え?虐めてなんかないですよ?ただ単に雪ちゃんって呼んでくれないから正当な罰を…」
それのどこが正当なんだか。俺は心の中でそう思った。
「ふーん?それならこれを…」
そう言って玲子先生が取り出したのは黒い猫耳のカチューシャ。
「まあ、気が利くのね♪」
「な゛!?」
まさかの展開。とんでもないところに来てしまったみたいだ。
「私が押さえといてあげる♪」
玲子先生の豊満な胸が背中に当たる。俺はもがこうとしたが、女の人の力とは思えないほど強い力で押さえつけられてしまった。ついでに尻尾もつけられてしまった。
「さあさあさあ♪」
俺は弄られながら、あんたらはホントに先生なのか、と聞きたくなってしまった。
―校内。猫耳と尻尾をつけられ、顔に猫髭と猫鼻を書かれた俺は、少し機嫌が悪かった。
「もう、卓也くん不貞腐れないでよ、可愛いんだから。」
「ちょっと待て、元々の原因は雪おば…」
「あれあれー?首輪もあるんだよー?」
「何でだよ!?」
心の中から素でツッコむ俺。なんかもうこの人はよくわからない。ただのドSなんじゃないかと思う。
「い、一回だけだから…その…雪…ちゃん…」
「じゃあ定着させてね?」
「何でだよ!?一回だけっつったろが。」
「首輪…」
と言ってバッグから首輪を出す雪叔母さん。まさかホントに持っているとはな…
「何で持ってるんだ?」
「卓也くん用だよ?」
「はぁ!?」
俺専用の首輪らしい。明らかにペットとして飼おうとしてやがる。どんな教育受けてきたんだろう、この人は。
「ちなみに鎖もあるよ?」
「誰も聞いてないからな。」
相変わらずマイペースな人だな。いい意味でも悪い意味でも。
「さ、つけて?」
「さすがにそれは勘違いされるからやめてくれ。」
「例えば?」
「飼い主とペットみたいにさ。」
「違うよ、ご主人様と愛猫だよ?」
「一緒だよ!?」
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