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「妖……怪?」
驚きを隠せない彼に、彼女……八雲 紫は重ねる。
「そう、妖怪。何か聞きたいことはあるかしら?」
「そうだな……聞きたいことは沢山あるが、まずはさっき言っていた『境界を操る』
このことについて聞かせて欲しい」
「あら、妖怪については聞かないのかしら?」
「ああ、貴方が妖怪であろうとなかろうと今の状態に変化は無い。それなら純粋な好奇心に従うさ。
それより、早く質問に答えてくれないか」
催促されたことに苦笑しつつ紫は答えた。
「面白い考え方ね。
じゃあ、まずは万物に境界が存在していることはわかるかしら? 例えば、暑さと寒さ、大人と子供、男性と女性みたいなね?
私はその境界線を弄ることができるの。
私が境界を弄れば5゚Cだって真夏の猛暑になるわ。
分かったかしら?」
「分かった。
それじゃあ、一番聞きたかったことを……」
少し迷ってから彼は口を開いた。
「貴女は、何をしに此処へ?」
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