295人が本棚に入れています
本棚に追加
エリシア「………………」
カンナ「そんな扱いを受けて
人間に情なんか持つ方が無理な話しだと思わないかい?
まぁ今はそんな人達に感謝してるけどね」
エリシア「何!?」
カンナ「この森に捨てられた時はかなり憎んだよ?
でもそんな事すらどうでもよくなる位にここでの生活は過酷だった
魔力の無い幼い俺はただ生きるのに必死だった
そんなある時
魔物と遭遇してね?
武器も無いのに勝てる訳が無いって思いながらも必死に戦ったい
そして俺は下級の魔物を殴り殺した」
エリシア「………………」
続けていいのかな?
カンナ「戦い終えた俺の身体はボロボロだった
拳の皮はズル剥けになって骨が見えてた
腕は骨が折れたりヒビが入っていたり
身体中には打撲や切傷の跡だらけ
それでも俺は勝った
魔力の無い俺は只の身体能力だけでも魔物に勝てる事が解ったんだ
それからはずっとずっとずっとずっと鍛え続けた
魔物に挑戦したり
木の丸太を殴り続けたり
血ヘドを吐き
泥水を啜り
死地をさ迷ったり
寝ている時に魔物に襲われた事もあるなぁ
身体中の骨は折れてない所がない所なんてありゃしないし
内蔵の位置が変わるまで身体を酷使したりで大変だったよ
でも今では最上級の魔物が相手でも本気を出す必要すら無い位に簡単に勝てる様になった
”只の身体能力だけで”だ
世界中に名を轟かせるあの紅姫にも気付かれない位完璧に気配も操れる
縛兎も同じだよ?
ただこの森に五年くらい過ごしただけでめちゃくちゃ強くなったよね?」
バクト「あぁ
さっき少しだけ手合わせしたがアレだけで解る
お前は俺より圧倒的に弱い
ただ五年
俺はこの森で怒涛の五年を過ごした
神無程では無いのにしろ王国騎士団の訓練が箸を持つ練習をしているのかと思うくらいに過酷だった
解るか紅姫?
所詮俺達とお前達じゃあ生きてきた世界が違うんだ
まぁ俺も今はお前等人間にたいして恨みは持っていないがな」
はぁ
話し過ぎたかな?
喉が疲れた
最初のコメントを投稿しよう!