第一章 〃 紅夜叉 〃

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確かにこの二人から魔力が感じない 私は話しを聞いてこの二人が嘘を言っていない事が解る 私には弟がいる その弟も同じく生まれた時に魔力が無かった その為親に捨てられ こことはまた違う森に捨てられていた 私は丁度任務の途中でその子を見つけ出し 義理の弟として引き取った だがその子は魔力が無かった訳では無かった 私の弟は魔力が身体の中で封印されていただけで セフィリアに解除して貰うととんでもない量の魔力が吹き出し 今では魔戦士と呼ばれる我が国最強の戦士になった しかしこの者達は違う まだ縛兎と呼ばれた男の方はいくら過酷だったとは言えまだましだっただろう だがこの神無と呼ばれた私の弟と同じ位の歳の少年はどうだ? この危険区域として封鎖された地に五歳足らずの頃に捨てられ危険な魔物を相手に生きてきた 私が五歳の頃は何もしていない只の園児 友達とじゃれあいながら楽しく暮らしているなか 闇夜の森に捨てられるなど子供ながら間違いなく死を決意するだろう だがこの神無といい少年はこの死と隣り合わせの森の中で必死に生きてきた その過酷な環境で五歳から生き延びるなど想像を絶するだろう エリシア「………………」 カンナ「俺はさ 何がいけなかったんだろうな?魔力が無いのはそんなにも罪なのかな?」 バクト「何故魔力が無いだけでこんな扱いを受けなければならないのだろうな?」 私はこの二人の歩んできた人生を想像し 涙した  
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