71人が本棚に入れています
本棚に追加
喫茶店に入り、席に案内される頃には彼女も落ち着いていた
「すみません…あんな所で泣きだしてしまって…」
あれが作戦だとしたらこの人はプロ中のプロだろう
「…で、なんなんですかこれ」
渡された紙を出す
「お話聞いてくれるんですか!」
彼女が満面の笑みを見せる
何も興味が湧いたわけではない
こうでもしなければ間が持たないと思ったからだ
話を聞くだけ聞いて帰ろう
「実はですね…大きな声じゃ言えないんですけど…運を貯められるんです!」
見事なまでの大声だ
しかも立ち上がっちゃってるし
彼女は恥ずかしそうに縮こまり続きを話す
「お金って使ったら無くなる…と思いがちですが、本質的なこと考えると違いますよね?お金は人から人の手に渡るわけです」
「チョコレートパフェのお客様」
「あ、はい」
彼女の前にパフェが置かれる
「このパフェを私は300円で買いましたよね?でその300円はこのお店のものになるわけです。分かります?」
僕は頷く
「じゃあ運は使ったらどこに行くのか…考えたことあります?」
「…いいえ」
「運はこの世界においてプラマイゼロになるように出来てるんです」
いまいちよく分からない
最初のコメントを投稿しよう!