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ゴウン‥‥
天井に穴が開き、そこから触手のようなものが出てきた。
静けさが悲鳴に変わった。
触手は全部で十本。
触手が狙いを定めている間、人々は逃げ場のない限られた空間を、必死に逃げ回った。
触手のうちの一本が、中年の男性に狙いを定めた。
男は、自分が狙われていることに気が付くと、叫びながら人を掻き分け必死に逃げた。
それでも触手がすぐそこまで迫り、捕まりそうになると、男は近くの若い女性を掴み、触手へと突き飛ばした。
女性は悲鳴をあげながら触手に捕まり、なすすべもなく体が宙に浮いた。
そのまま触手が天井へ戻ろうとしたその時、軍人たちが触手に飛び掛かった。
「野郎!」
しかし努力の甲斐なく、すぐに振りほどかれてしまった。
女性はそのまま天井へと姿を消した。
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