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ナレーション
「そして、少女は……」
お母さん
「……じこ、……にじこ……虹子!」
虹子
「っふぇ???」
お母さん
「ついたわよ」
お父さん
「此処が、新しいおうちだよ」
虹子
「森……?」
お父さん
「そう。森の中に家があるんだよ」
お母さん
「屋敷林って言うんですって、ここじゃ結構な数があるみたいよ~」
虹子
「や、しきりん……」
お父さん
「じゃ、荷物降ろそうか。まあ荷物という程はないけどね。ほとんど焼けてしまったからね」
お母さん
「そうね。ほら、虹子、自分の荷物持って」
虹子
「!! イグネ……イグネさんっ!!」
ナレーション
「少女は走りだしました。屋敷へと向かって……」
虹子
「はぁっ、はあ……イグネ、さん……」
お母さん
「ちょっと、虹子、どうしたの? イグネさん? だあれ、それ??」
虹子
「私……ここに来た。ここで、イグネさんと話した!」
お父さん
「イグネ……。あぁ、そういえば、この地方じゃ屋敷林のことを『居久根(イグネ)』っていうらしいよ」
お母さん
「あら、そうなの?」
虹子
「イグネさん……、まだ、いるよね。……私、帰ったよ。待ってる人がいたよ」
お母さん
「この子、あの火事でおかしくなっちゃったのかしら??」
お父さん
「さ、さぁ……」
虹子
「……ありがとう、イグネさん。そして……ただいま」
完
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