11人が本棚に入れています
本棚に追加
アリア
「あら、そうなの?」
和葉
「あっ、いや、そういう考え方もある、っていうことで……」
アリア
「ふふっ、やっぱり貴女は面白いわ」
和葉
「な、何のことかしら」
アリア
「太陽の光、ねぇ……。月は自分では光れないのね」
和葉
「そうじゃないかも、しれないわよ……」
アリア
「そうかもね。でも、そんなことはどうでもいいの。月の光は夜の闇を照らしてくれる……その事実だけで充分だわ」
和葉
「探求心がないのね」
アリア
「知りすぎるのはよくないことよ」
和葉
「じゃあ何故私の事を知りたがるの?」
アリア
「前にも言ったはずよ? 言ってなかったかもしれないけど」
和葉
「気になるから? 面白いから?」
アリア
「まぁ、それもあるわね。でも、やっぱり違うかな。よーく考えてみるとね、単純だったのよ」
和葉
「単純?」
アリア
「私、貴女の友だちになりたいの」
和葉
「とも……だち?」
アリア
「そう! 友だちよ! こんなところで出会えるなんて、素敵じゃない?? この綺麗な月の下で!」
和葉
「……ぷっ。く、……あははははは! ……貴女、やっぱり面白いわ! でもね、私と貴女は違う。だから、無理よ」
アリア
「そうかしら? 私たち、出会った時から友だちだったと思うけど?」
和葉
「勝手に友だちにしないでちょうだい」
アリア
「まぁ、私はもう和葉のこと友だちって思ってるから、別に良いけど」
和葉
「勝手ね……」
アリア
「家族と違って、友だちは自由に選べるもの♪」
和葉
「もう、勝手にして」
アリア
「うふふっ。あら、もう月がこんなに沈んでしまったわ。そろそろ帰らないと……」
和葉
「そう」
アリア
「じゃあ、和葉、また明日も来るからね」
和葉
「別に来なくても良いわよ」
アリア
「来るなって言われても来ますからね~。じゃ、バイバーイ!」
和葉
「……。友だち……か。……また、明日、ね……アリア」
完
最初のコメントを投稿しよう!