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座敷わらし
「ここはマヨヒガ……。幸福と不幸の狭間。今日も名も無き人間を誘う……」
村人
「はぁ……今日は釣れねぇな。……仕方ねぇ、帰るか。……ん? 川上から何か流れてくるぞ?」
座敷わらし
「見つけおったか、目ざとい男よの」
村人
「赤い椀? ぃ、よいしょっと。……とりあえず取ってみたはいいが、何故椀が流れてくるんだ? ……いっちょ行ってみるか」
座敷わらし
「ほっほ。来い来い、『マヨヒガ』へ」
村人
「……かなり上流の方まで来てしまったが、人っこ一人見なかったな……どうなってるんだ?」
座敷わらし
「こっちじゃよ」
村人
「ん、獣道か? 行ってみるか、……な、なんだここは!? こんな所にこんなでかい屋敷なんてあったのか??」
座敷わらし
「ようこそ、人間」
村人
「埃一つたまってねぇ……。今の今まで誰かいたみてぇだ。おーい! 誰かいるのかー?? おーい!!」
座敷わらし
「誰もいやしないよ、ここはマヨヒガなのだからね……」
村人
「おっかしいなあ……。ん? くんくん……何か良い匂いがするぞ?? ちょっとあがってみるか」
座敷わらし
「入ってきたか。さぁ、ゆっくりしていくと良いぞ」
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