11人が本棚に入れています
本棚に追加
にじこ
「……ここは、……?」
ナレーション
「一人の少女が迷い込んだ小さな森……。平らな土地に浮かぶ島のような小さな森……」
にじこ
「きれい……。あ、向こうに家がある……行ってみましょ」
ナレーション
「南側には魔除けとして植えられたひいらぎや色鮮やかな紅葉(モミジ)、薄紅色の花を咲かせているさざんかなどがありました」
にじこ
「大きな屋敷……。でも……静かね……」
ナレーション
「落ち葉が地面に広がり、掻き集められた様子もみられない所をみると、誰も住んでいないようでした」
イグネ
「お嬢さん、何処から来たのかね?」
にじこ
「だ、誰??」
イグネ
「わしはイグネ。ずっと此処に住んでいる老いぼれじゃよ」
ナレーション
「話し掛けてきたのは、イグネと名乗る声。姿は見えません」
にじこ
「何処にいるの?」
イグネ
「わしは此処じゃよ」
にじこ
「姿を見せてくれないの?」
イグネ
「わしは此処そのものじゃからのう」
にじこ
「?? 分からないわ……」
イグネ
「まぁここに来たのも何かの縁……上がっていきなされ」
にじこ
「で、でも、埃がたまっていて……あら?」
最初のコメントを投稿しよう!