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ふとある病院の窓から空を見つめる文女がいた。
赤川がいつも自分のように語る『孝眞』の顔がふと映る。
「彼の瞳は夢。やっぱり同じですね。」
そう独り言を空に流した。
「伝うものですね、お互い…」
その瞳はどこか寂しげに、それでいて優しさを含んで空のその先を見つめていた。
孝眞もまた景色の先をふと想い伝うように見つめる。
ー忘れる事ができなくなる事は、きっと現(うつつ)に気付いてしまうから…ー
そう、お互いに物思い、そしてまた夢の続きが始まってゆく。
何度も何度も繰り返す泡のように…
孝眞編 一部 ー了ー
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