30人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは私がアカデミーを卒業した日
重役の話を聞くのが億劫で式を抜け出した
少し離れた所にある川の縁に座り、足を川につけて寝そべって空を見ていた
そこに黒髪の同い年くらいの男の子が来て同じように川に足をつけた
「隣、いいか?」
「…どうぞ」
「君、今日卒業?」
「…そう」
「おめでとう」
「ありがとう…あなた誰?」
「俺は、うちはイタチ」
「なら、私にはあまり近づかないほうがいいと思う」
「どうして」
「私は、諏訪ナツミ、諏訪一族の頭首の一人娘だから、関わると面倒くさい事になる…かも」
「いいじゃないか、少しくらい」
最初のコメントを投稿しよう!