好きという気持ち

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駅までを並んで歩いていると、何だか昔を思い出した。 前は背も私と同じくらいだったのに、今は頭一つ分差がある。 「美波ちゃん…かなり変わったよね~。更に綺麗になっててびっくりした(笑)最初分からなかったよ。」 「鷹ちゃんだって大人っぽくなってて…分からなかったよ(笑)」 「ホレた?」 ニヤニヤと笑いながら顔を覗き込んできた。 「ん…彼の次にかっこいいよ(笑)」 にっこり微笑んでそう言った。 「…」 ボーっと私を見つめる鷹ちゃん…。 えっ!?…私変なこと言ったかな…。あ、ノロケ言ったんだわ…確実に引かれた(汗) 「えっ!?うわっ…そんなに引かないでよ!!」 「…えっ!?あ、イヤ…。…あんまりそういうのやめた方がいいよ…」 フイッと顔を反らされてしまった。 「…ごめん。気をつけるよ。」 「いいよ…。」 しばらく無言で歩く。…気まずい。 「気をつけて帰りなよ。美波ちゃん」 ふと顔を上げると、駅に着いていた。 「うん…ありがとう(笑)」 そっと鷹ちゃんが耳元に近づいて 「今日は楽しかった。また明日ね。」 と囁いて笑顔で手を振って駅に駆けていった。
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