好きという気持ち

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私は鷹ちゃんを見送ってから、買い物をして帰ることにした。 荷物を持ってやっと家に着き、階段を上がると会いたかった彼がいた。 「キャッ…龍也…?」 急に龍也が抱きしめてきた。 「…会いたかった?」 「ん…会いたかったよ。龍也…」 「俺も…」 ちょっと掠れた声にドキッとする… 「龍也…中入ろ?」 「うん…ごめん。」 離れて私が落とした買い物袋を持ってくれた。 「ありがとう(笑)…どうぞ」 「お邪魔します」 「ソファーに座ってて…。何か飲む?」 「…ビールある?」 「…あるけど、龍也が飲むのって珍しいね。」 冷蔵庫からビールを出しながら彼を見る。 「ちょっと飲みたい気分なんだ。」 ―プシュ 「どうぞ。…何かあった?」 いつもと違う龍也の様子が気になって、隣に座って彼を見つめる。 「美波は何かあった?」彼の目が揺れている。 「私?…ん~、今日新入社員が入ってきてね、その子が私の幼なじみだったの。」 「幼なじみ?」 「うん。何年も会ってなかったんだけどね(笑)私が彼の…鷹ちゃんって言うんだけど、鷹ちゃんの指導係になったの。さっき駅まで一緒だったのよ。」
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