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恥ずかしくなり俯くと、笑われてしまった。
「そろそろ戻りますね。美波さんはどうなさいますか?」
と言われた。
「もう少しここにいます。」
と言って背広を返そうとすると、大丈夫と断られた。
「返すのは戻ってからでいいです。では、先に戻りますね。」
と笑顔で戻っていった。
私は空を見上げ、ゆっくり深呼吸した。彼の笑顔が…声が…頭の中にずっと残っている。
久しぶりの感情に少し戸惑いながら、目を閉じて風を感じた。
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