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彼があまりにも見つめるものだから、私は戸惑った。
「ごめんなさい。お気に障りました?」
心配して訪ねると、慌てて否定した。
「いや…あの…。何でもないです。」
明らかに挙動不審になっている彼。
少し飲み過ぎたかもと反省した。
車を走らせ、しばらく無言のまま目的地に着いたのか車を停めた。
「行きましょうか。」
と彼は私を外へ促す。
着いたのは近くの海だった。
潮の香りと空には満天の星…。
「綺麗…」
思わず呟いた。そっと目を閉じて風を感じる。
そっと肩に掛かる温もり…目を開けると彼の背広が目に入る。
彼は隣で微笑んで私を見ていた。
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