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「…座りましょうか。」
彼が座るよう促した。背広を砂浜に敷き、私をそこに座らせる。
「背広が汚れてしまいます。」
そう言っても聞いてくれなかった。
「嫌なら私の膝にどうぞ。」
私の反応を楽しむかのように笑った。
自然と寄り添い、空を見上げる。
今日は月が綺麗に輝いている。
「美波さん…。寒くはないですか?」
私の顔を覗き込む彼…。
そっとくっついてみると、ビックリして少し離れてしまった。
「寒いからくっついたんです(笑)。そんなにビックリしないでください。」
そう言って顔を見ると少し頬が赤い。
可愛くて思わず笑うと、からかわれたと思ったのか、恥ずかしそうに目を反らされてしまった。
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