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「美波さんは…イジワルなんですね。」
そう言う彼の横顔は、少し拗ねたような顔だった。
「イジワルしたかったわけじゃありません(笑)。でも…飲み過ぎたみたいです。不思議と素直になれる…。」
少し恥ずかしくなり、彼を見ずに答えた。
視線を感じ、顔が熱くなっている。
「美波さん…。またここに一緒に来てくれますか?」
声が少し震えている気がして、彼を見る。
いつもの笑顔がそこにあった。
「…はい。また誘って下さるなら…(笑)。」
嬉しくて頬が緩む。
彼は嬉しそうに笑って名刺を取り出し、何かを書いて差し出した。
「後ろに連絡先を書きました。後でご連絡下さい。」
「…はい。」
そう言って鞄にしまった。
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