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「とりあえずお粥食べて下さい。」
そう言って立ち上がり、彼が出て行こうとする。
いや。行かないで…側にいて…。
「…美波さん?」
彼が振り返ってこちらを見ている。
彼の目線が彼の洋服に移る。
見ると私の手が彼の洋服を掴んでいた。
「行かないで下さい…。」
自然と言葉が溢れた。
驚いて私を見る彼。目が泳ぎ、少し頬が染まっている気がする…。
「分かりました。ここにいますから、お粥食べて下さい…。」
そう言って座ってくれた。
すごく甘えたくて堪らない。
「…食べさせてはくれないのですか?」
そう言って彼を見る。
「…っ。分かりました。」
顔を手で隠している…首を傾げると
「私だけにしかやったらダメですよ。」
と言ってお粥を食べさせてくれた。
「…美味しい。」
と言うと笑ってまた一口食べさせてくれた。
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