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「彼女?誰のことですか?」
首を傾げている彼に、この前見た女性の話をすると、彼女は得意先の社長秘書で、2人でいたのは社長が御手洗いに行っていたのを待っていたからだろう…とのことだった。
「それで電話して下さらなかったのですか…」
「…はい。」
沈黙がしばらく続く。
「美波さん…。私は…最初からあなたしか見ていません。初めて逢ったときから、私はあなたを愛しています。」
…えっ!?…今愛していますって!?
驚いて顔を上げると、温かい温もりが私を包み込んだ。
「あなたが私を愛してくれるよう頑張りますから…覚悟してて下さいね。」
そっと耳元で囁かれ、耳が熱くなる…。
椹木さん…私はもうあなただけしか見えてないのに…。
そう言いたかったのに、言葉が出て来なかった。頷くことが精一杯だった…。
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