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今日も遅刻ギリギリに家を出る。当然俺は遅れることなんて心配していない。
ナノ技術で圧縮されているエアシューターを解放する。地面から20cmほど浮いている板に飛び乗ると、MPTDに登録したプログラムでエアシューターの安全装置(オートセーフティー)を切る。
もうスピードでビルの谷間の坂を下り、橋の手摺りに飛び乗ってさらに加速、橋の途中から斜めに川を飛び越え、あの狭い路地を突き抜ければ校舎の裏側に出る。
ガードシステムのフェンスなんてシステム範囲を飛び越えれば意味がない。
そのままの勢いで校舎に突進する。
対衝撃吸収(インパクトキリング)機能のあるブーツで校舎の壁を蹴り、落下防止力場(セーフティーフォース)を利用して非常階段の2階の踊り場に無事着地する。
この学園までのショートカットは、2年間通い慣れた俺の通学路だ。
エアシューターをもとのサイズに圧縮してポケットに突っ込み、セキュリティカード付きの非常口をMPTDで開錠(ハック)。
非常口の先には今日もあいつがいた。
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