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「ところで。」
一度委員長から視線を外して、有言のサインを送ってみる。
「早いとこ席につかないと、先生来てるぞ。」
「こほん!香島さん、あなたがセナードくんにご執心なのはまぁ、年頃ですからしょうがないとは思います。ですが早く席に着いてくださらないと、遅刻扱いにしますよ?」
「え!?あっはい!じゃなくてっ!違います、クラスケット先生!私はただ毎日セナードくんが危険なことをしているのを注意しているだけで、こいつにご執心だなんてことは……」
「わかりました。香島さん、そるからセナードくん。二人は放課後、指導室に来なさい。」
「クラスケット先生!??」
あぁ、めんどくせ……サボろ……。
「セナードくん、もし来なかったりしたら……。」どうやらクラスケット先生は心を読めるらしい。
「私はずっと日直を二人でやってもらってもかまわないと思っていますよ?」
「なっ!?まっちょっと待ってください!ずっとだなんて……。」
「先生は香島さんには良い条件だと思うんだけどなぁ。」
「せ、先生、どうして……!?」
「んあぁ、それだけはさずがにかんべん。わかったわかった。放課後いきゃいいんだろ。」
「はい、では香島さんもいいですね。」
「ぅぅ…わかりました、クラスケット先生……」
委員長はようやく自分の席についた。
「はい、それではHRです。連絡事項は、明日からうちの学園のセキュリティを大規模メンテナンスします。そのため来週の火曜日まで学園には入れませんので、間違って登校しないようにしてくださいね。」
HRは滞りなく終了し、担任のクラスケット先生が教室から出て行きかける。
「香島さんとセナードくんは、放課後忘ずにきてくださいね。」と、念をおしてこんどこそ教室から出て行った。
委員長が粘ったせいか、休憩時間終了のチャイムがすぐに鳴り、授業準備の休憩をはさまずに一時間目の授業が始まってしまった。笹保がトイレに行きたいと現国教師に申し出て教室を出ていったあとは、安々と睡魔に屈して爆睡してしまったから、特に問題もなかったが。
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