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「はい。」
委員長が晴やかな表情でMPTDを差し出してきた。
「……お前。」
俺は失ったものを頭の中で確認しながら、委員長の肩を掴む。
「え?……セナ?ちょっと待って?その……いきなりじゃ心の準備が……。」
「今からちょっと付き合えや。」
「へ?は、はい……よろこんで。ってあれ!?うそ!??セナ!?」
「『うそ!??』じゃねぇ!お前はたった今、俺のこの一ヶ月分の授業データをすべて消しやがったんだ!お前は責任とって俺に一ヶ月分の授業範囲を全部教えやがれ!つうか教え終わるまで帰さん!」
「へ??それってどうゆうこと?」
「ちょっとお前のMPTD貸せ。」
「え?あ、はい。」
MPTDを受けとって、委員長の親の連絡先に『今日は友達の家に泊まるから晩御飯はいりません』とメールを送った。
「あ。ちょっと何やって……?」
「今日なかった科目のノートとかが家にあるだろうから一旦お前の家に寄るが、逃げるなよ。ちょうど明日から5連休だからな、その間に終わらせるぞ。」
「ん?どうゆう……こと?私……告られたわけじゃ……ない?」
「何言ってんだ、お前?お前は今からお前が消したデータを取り戻すまで、俺の下僕だ。勉強以外にもいろいろとやってもらうからな。」
「下僕!?勉強以外にもいろいろって!?私そうゆうプレイは経験なくて……。」
「だから、さっきから何言ってんだ?」
「とゆうか私、まだ……」
「あぁ、わかったわかった。とにかくまずは、お前の家だ。ナビ頼むぞ。」
そう言いながら、俺は廊下でエアシューターを解放した。
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