ルフィーナ参上!

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「また気絶したよ……」 ルフィーナとエリシアを見ていたトウヤが、白目をむいて気絶したクラシルを見てボヤいてみせると、同じようにルフィーナ達を見ていたミリィが頷いた。 「何だか、お父様が気絶するのって、見慣れちゃったわね」 自分の娘に「気絶する姿を見慣れた」と言われるのは、どうなのだろう。 とにかく、至近距離で睨み合うルフィーナとエリシアを見て、トウヤがさり気なくミリィに話し掛ける。 「今の内に、帰ろうか?」 関わり合いになりたくないトウヤが、本気で呟くと、ミリィが残念そうに首を振る。 「今逃げたら、絶対お母様が後で殴り込んでくるわよ。 多分……、ルフィーナ様も一緒に来るわね」 確信を持って言うミリィに、トウヤは頭を抱えたくなる。 「じゃあ、アレか? このまま、あの2人が落ち着くまで、ここで見とくしか無いってことか?」 心底嫌そうにトウヤがボヤいてみせると、ミリィは「仕方ないでしょう」と言って、双子がまた変な行動を取らないように目を光らせる。 そんなミリィにチラリと目を向けた後、トウヤは雲一つ無い青空を恨めしげに見上げて呟く。 「折角の非番なのになぁ……」 声に出したところで、今の状況が好転する訳では無いが、トウヤにしても、言わずにはいられなかったのだろう。 と、ここで、トウヤが何気なく双子を見て閃いた。 「エリシア! ルフィーナ! グレンとほのかが『一緒に遊ぼう』って言ってるぞ!」 それこそ、先程双子が吹き飛ばされた事を忘れたと言わんばかりのトウヤの発言に、ミリィが「エエッ!」と驚いて声をあげる。 「ち、ちょっとトウヤ? さっき、あの子達がどんな目にあったか、忘れたとは言わせないわよ!」 憤慨するミリィを余所に、トウヤの発言でエリシアがピクリと頬を引きつらせる。 更に、ルフィーナまでもが、双子へ視線を向けた。 そんな2人の様子を、トウヤが見逃すはずがない。 「グレン。ほのか。2人と、遊びたいよな?」 頭を叩かれた手前、遊んでも良いものか悩んだのも束の間。 満面の笑みを浮かべて、双子が2人に呼び掛ける。 「「遊ぼ~!」」 子供らしい、無邪気な笑みを見せる双子を見て、エリシアは更に頬を引きつらせ、ルフィーナは頬をゆるませる。 そのまま、時間が経つこと約30秒。 「愛らしいのぅ!」 「グレン~! ほのか~!」 いがみ合っていたはずの2人の顔は、笑顔に変わっていた。
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