ルフィーナ参上!

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腰をくねらせ身悶えるルフィーナと、今にも双子へ手を伸ばそうとしているエリシア。 そんな2人を見たミリィは、思わずガッツポーズした。 「可愛さって凄い!」 ミリィが、親バカ的な発言で、危険を回避出来た事を喜んだのも束の間……。 睨み合っていた2人が、同時に双子に近付こうとして、肩がぶつかってしまう。 「「あっ……」」 肩をぶつけた途端、動きを止めてしまったルフィーナとエリシアを見て、トウヤとミリィが声を漏らすと……そんなトウヤ達の目の前で、ルフィーナとエリシアの言い合いが始まった。 「ルフィーナ様。グレンとほのかは、この“アタシの孫”ですよ?」 「だから何じゃ? 妾は、可愛いものが大好きなのじゃぞ? 妾が、双子と一緒に遊んでも、良いではないか?」 いがみ合う2人の間に、漆黒と赤黒いオーラが溢れ出し、2人の間に火花が散る。 そんな2人の様子を見て、双子が「オオッ!」と歓声を上げ、トウヤは顔を曇らせ、ミリィがトウヤへ白けた目を向ける。 「まぁ……アレだな。 これが“火に油を注ぐ”ってやつだな」 困った様子で、トウヤが人差し指で右頬をかいていると、ミリィが無言でトウヤの左腕を肘でつつく。 突っつかれたトウヤは「分かったよ」と、困った様子で呟き、いがみ合う2人に話し掛ける。 「あ~。え~っと……。エリシアもルフィーナも、2人共一緒に遊んだら……って、無理だよなぁ」 トウヤが言い終えぬ内に、いがみ合っていた2人から同時に睨まれてしまい、トウヤは途中で説得を諦めた。 すると、ミリィがしつこくトウヤを肘でつつく。 「いや、アレは無理だって! 何か言おうにも、あれじゃ、俺が殺される」 トウヤの言い訳に、ミリィも納得出来たらしく、疲れた表情を見せつつ、大きなため息を吐き出した。 「あの2人って……」 僅かな時間で、本当に疲れ切った表情を見せるミリィを見て、双子がミリィの両隣へと移動したかと思えば、訳知り顔で頷いた。 「怒ってるヤツって、ホント面倒だよな」 「仲良くすれば良いのにね」 同時にウンウンと頷く双子を見て、トウヤが呆れる。 「お前らが言うのも……、何だかなって感じだぞ?」 などとトウヤが言った途端、双子はお互いに顔を見合わせ、声を揃えて言い返した。 「俺達……」 「私達……」 「「喧嘩しないもん」」
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