ルフィーナ参上!

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トウヤが「助けて」と、レザリアスに頼んでから数分後――。 トウヤ達がいる公園へと転移してきたレザリアスは、ルフィーナとエリシアの様子から、その近くで倒れているクラシルを見て呟いた。 「哀れだな……」 そう呟いたレザリアスは、空間が歪んで、魔力の雷が辺りを破壊し始めている周りを見回した後、無言でいがみ合っているルフィーナとエリシアに近付いていく。 「気を付けろよ!」 転移して、早々に動き始めたレザリアスの背中に、トウヤが声を掛けると、レザリアスはトウヤに背を向けたままで、軽く手を振ってみせる。 「「長。カッコイイ!」」 そんなレザリアスを見て、双子が歓声をあげる中、渦中の2人に近付いたレザリアスは、無造作にそれぞれの腕を掴み、一気に魔力を解放させる。 レザリアスの解放させた魔力は凄まじく、トウヤや双子は背後に押され、ミリィが慌ててトウヤ達を支えてくれなければ、トウヤも双子も、あっと言う間に吹き飛ばされていただろう。 「滅茶苦茶だな」 次元が違うレザリアスの魔力を感じて、トウヤがボヤいた視線の先では、レザリアスの魔力をまともに受けてしまったエリシアが目を回し、ルフィーナは視線をエリシアからレザリアスに向けていた。 「久しいのぅ。レザリアス。そなた……。この妾に向かって魔力をぶつけるとは、良い度胸ではないか」 レザリアスの魔力を受けたルフィーナは、今度はエリシアからレザリアスへと標的を変更したようだ。 レザリアスに掴まれていた腕を強引に離すと、瞬時にレザリアスの背後へ回り込み、勢いに魔力を乗せた裏拳を放つ。 レザリアスの後頭部めがけて放たれた、ルフィーナの拳。 レザリアスは、その攻撃を予想していたかのように掴んでいたエリシアの手を離しながら屈み、ルフィーナの拳を避けると、再び魔力を解放してルフィーナを遠ざける。 再び魔力の解放を受けたエリシアはたまったものではない。 気絶していたクラシルと一緒に吹き飛ばされ、公園の端まで飛ばされてしまった。 更に、レザリアスの魔力はトウヤ達にまで被害が及ぶ。 「ウウッ」 レザリアスの位置から、十数メートルしか離れていなかったトウヤ達は、ミリィが全魔力を使って作り出した魔力障壁に守られ、何とか無事でいられる状態だったが、ミリィの全魔力を使った魔力障壁も、至る所にヒビが入っていた。
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