ここからリア充の時間

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何度か助けて貰ったこともある。こんな素朴な願いを叶えるぐらいならしてやってもいいか。 思い立って優衣のいる隣のクラスへ行こうとしたら、廊下でバッタリ出くわした。 「あ、楓。これから何処か行くのかな?」 「優衣に会いに行くところ」 「じゃあ目的達成だね。私の目的も達成!」 お互いにはにかむ。二人とも純情で恥ずかしいなら言わなければいいのに、つい言っちゃう。こういう気持ちをいつまでも忘れたくない。 「そうそう。優衣にお願いがあるんだけどさ」 「珍しいね、なにかな?」 「このチョコレートを栄司が渡して欲しいんだってさ。優衣から」 「うん? ……よく解らないけど解ったよ」 この日、栄司は嬉しさで興奮のあまり出血多量で早退した。他のチョコレートは俺の非常食にでもしようと思う。
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