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悲しい結末を見た気がする。俺は気の迷いを払い、じっと堪え忍ぶ。
優衣への想いがあれば、こんな悪魔の誘惑はへっちゃらだった。
「なんだかごめん」
「え?」
「謝らないといけない気がした。よし、役得だったけどまた閉じ込められても困るし、さっさとここを出よう」
女生徒達がいなくなって、俺と御陵は今度は早々に女子トイレから離れた。
優衣と一緒に帰る約束をしてたけど、もう帰っちゃっただろうか?
ふと、窓から校門を覗く。
いた。分かりやすくいた。絶対あそこにいる。間違いない。
確信する。
だって男どもが群がってるもの。
「ごめん御陵、俺行かないと」
「あ、ちょっと待って。あの、えっと……コレ……」
スクールバッグから取り出されたるは小さな包み。これは、え?
「め、迷惑じゃなかったら食べてくれると嬉しいな。それと、あの……僕も役得だったよ。じゃ、じゃあまた明日!」
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