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活路を探して、目を凝らして観察してみる。
「くっ、何か気配は感じるのに……心眼か? ここは心眼に目覚めるしかないのかっっっ!?」
「ねぇ、楽しい? か弱い乙女の心を弄んで、いまどんな気持ち?」
「出来心なんです、ごめんなさい。まぁそんな些細なことはどうでもいいや」
「良くないからね、全然良くないからね」
「いいっていいって、遠慮なんかしないで」
「少しでいいからあんたが遠慮しろよ!!」
「「ふぅ……」」
「でさ、さえちょん。これどうしよう? 妙案ある?」
「あるような、ないような……二人ならなんとかなるかも知れない。作戦ってほどの代物じゃないけど……私がきゃつらの気を引くからその間にかえっちが優衣を救出するだけ」
「気を引くって。それができたらさえちょんは空気キャラの身分に落ち着かなかったでしょ」
「…………」
「…………」
「…………」
「ごめん。撤回するから、そんな潤い豊かな瞳を向けないで」
「こほん……とにかく私が気を引くから、頼んだよ相棒」
そう自信ありげにない胸を張るさえちょん。
「別に構わないけど、気を引くったってどうするのさ」
「きゃつらはチョコレートに餓えている。ならば話は簡単……こうするのだ!」
意気揚々と黒山の人だかりに突撃して、さえちょんは息を大きく吸い込み。そして。
「そんなにチョコレートが欲しいなら持ってけ泥棒! 私があげるからこっちにいらっしゃい!」
泥船に乗った気分ってこういうのを言うんだろうなー。
「……今だ、かえっち!」
「あの、今だって言われても全く変化がないんですけど?」
「それは仮の姿だ。騙されてはいけない!」
と言ってるけど、どうしようか?
1.信じることの勇気をここに示す。
2.あれ、さえちょんのようすが……
3.先生を呼んでくる。
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