ここからリア充の時間

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バレンタインデーを認知していて、どうした現状!! 圧倒的にリアルが足りない!! 「つかぬことをお聞き致しますが、私めにチョコレートは……?」 つかない。どこまでもつかない。知ってるのに帰るつもり満々なんだからそんなのある筈がない。 でも聞かずにはいられない繊細な男心。優衣は小首を傾げた。 なんで? と言わんばかりに。 「バレンタインデーって女の子が想い人に告白する日だよね? それでホワイトデーが男の子が返事をする日。楓と私はもう結ばれてるんだから……あれ、もしかして違う? 恋人だと思ってたのは私だけなの? あれ、でも、あれ?」 泣きそうな顔の俺をみて、優衣は勘違いに誤解を重ねたらしく泣きそうな顔をする。 「優衣は俺の彼女です! これは間違いないし、俺の勘違いだったら泣くどころじゃ済まないってば」 真っ先にその部分を訂正させて頂いてからバレンタインデーという日の説明をする。 優衣は認識の齟齬に気付くと申し訳なさそうにシュンと沈んで。 「ごめん、私今まで浮いた話に縁が無かったから……どうしよう? 恋人にとって大事なイベントの一つなんだよね?」 「大切な日といえば大切な日に違いないけど、知らなかったんじゃ今回は仕方ないよ」 「でも恋人になってから初めてのバレンタインデーだよ。知ったからにはベストを尽くしたい」 負けず嫌いが発動してらっしゃる? 優衣はやるぞーと気合いをいれて俺の返事を待っている。 なんの返事かって? そんなの決まってる。 「俺も……優衣からのチョコが欲しい。別に優衣からだったら出来合いの物でもいいんだ」 「えへへ、ありがとう。出来合いの物じゃ私の愛が伝わらないよ。でも今から作るのも時間が掛かるし、うーん……あ」 「あ?」 何か思い付いたらしい。  
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