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最寄りのコンビニに足を運んで、何か買った優衣。出来合いの物じゃ愛が伝わらないんじゃなかったっけ?
まぁ、俺の心はさっきと変わらず優衣から貰えるなら出来合いの物でもなんでも構わない。
コンビニからそう遠くない公園のベンチに二人腰かけて、優衣はコンビニの袋から先ほど購入した物を見せてくれる。
それはプレッツェル(ポ〇キーみたいなの)だった。
「悩んだんだけど。やっぱりコレかなって思いました」
「ありがとう」
受け取る為に手を伸ばしたらさっと避けられた。
「このままでは愛が伝わりません。恋人っぽくありません」
先生みたいな口調で言いながらパッケージを開封して中身を一本手に取る優衣さん。
「というと?」
「だから、こうするの」
その一本……チョコレートのコーティングがない方の先端を食わえる優衣さん。
こ、これは!!
戸惑う。俺は自他ともに認める純情派男子である。
これが俺の想像通りの展開になるなら……駄目だ、想像不可能だ。あわわわわわわ。
「ん!」
急かされた。どうやら想像通りの展開に進むらしい。想像なんてしてないけど。ええんか? ええのんか!
「んー! んー!」
また急かされた。あれ? よく見ると、よく見なくても優衣の頬がまっかっか……そっか、そうだよな。俺だけじゃない。
優衣も恥ずかしいんだ。
でもこの二人で迎える初めてのイベントを大切にしたいから、羞恥心を我慢してくれてるんだ。
ここで臆していては男が廃るってもんだぜ!?
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