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ブーン…ブーン
ジャケットから携帯の振動がする。
液晶には
[知佳]
「もしもし」
「雅彦、今日会えるかなぁ?」
知佳の寂しそうな声。
最近、一人になりたくて知佳の相手をしていなかった。
あの出来事から二週間。
寂しい思いをさせてしまった。
「いいよ、9時にバイト終わるから知佳の家に行くよ。」
「家!!でも、家汚いし私あんまり料理は…」
知佳はあんまり料理上手じゃない。
「知佳は何もしなくていい。ピザでもとろう。今日は知佳とまったりしたい。」
「えっ…うん」
恥ずかしがる知佳の顔が浮かぶ。
「今エッチなこと考えただろ。」
「ちっ、違うよ!!」
必死に否定する知佳の声を聞いて、笑った。
「うそ、ごめん。また行く時に電話するよ。」
「うん、わかった。
雅彦…大好き」
「あぁ、知佳。俺もだよ」
そう言って電話を切った。
知佳に今日は何か作ってやろう…
そう思いながら大学を出た。
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