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「橘さん、おはようございます」
振り向くと、バイトの長野祥子が立っていた。
「おはよう」
「今日も暑いですけどコンビニって寒いですよね」
そう言って震えるマネをした。
「そうだね…」
長野祥子は二つ下の大学一年生だ。
俺は愛想がないので他のバイト達は、挨拶をしたら逃げていく。
が、この子だけは懲りずに話かけてくる。
別に迷惑してないから、構わないのだけど。
「鳥肌…そんなに寒い?大丈夫か?」
制服から見える白い腕を見て言った。
「えっ…」
祥子が目を丸くする。
どうした?
何かマズイこと言ったか…
しばし祥子は固まると、
「橘さんから話かけられたの初めてです。凄い嬉しいっ」
祥子は目をキラキラして、満面の笑みになる。
「はぁ?」
意味が分からない…
「みんなに自慢しちゃいたい。でも、言うのもったいなーい。」
祥子は一人ぶつぶつ言っていた。
「ハハッ…」
女というのは、摩訶不思議な生き物だ。
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