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祥子は少し考えて、
「この辺は街から離れてるから、もう開いてないですよ」
時計は9時過ぎ。
「そっかぁ…」
「何かいるものあったんです?」
「いや、彼女に作ってあげようと思ってね。」
すると、祥子はまたキラキラした目になった。
「すごーい!彼女に手料理なんて素敵ですね。いつも作ってるんですか?」
祥子は何故かテンションが上がっている。
「いつもは作らないよ。久しぶりに会うし、ちょっと寂しくさせたから悪いと思ってね。」
「やさしーい。いいなぁ。橘さんの彼女羨ましいぃ」
今度はちょっと悔しそうな顔した。
ハハッ…面白い女の子だ。
「そうだ!料理も嬉しいですけど、何かプレゼント持って行くのはどうです?」
「プレゼント?この時間にか?」
今から街中に戻るのは、時間がかかるし億劫だ。
「えっと…花とか?ほらっ、店の前の花屋ならまだ開いてるかも」
そういえば、コンビニの正面に小さな花屋がある。
花か…買ったことないなぁ
「花は仰々しいし、なんか照れ臭いな…」
俺は少し敬遠してしまう。
「花束は大袈裟ですけど、植木鉢とか観葉植物とかなら可愛いし、買いやすいですよ」
うん、うん、と祥子は一人納得している。
その姿を見たら、なんか一生懸命だから笑えた。
「わかったよ。花屋行ってみる」
祥子はまるで自分のことのように喜んだ。
「いいなぁ~」
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