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車内は満員電車に近い状態。他人との距離が近い。俺は知佳と逸れないように手を繋いだ。
真夏の電車は乗っているだけで、蒸し暑さで汗ばんでくる。
知佳と繋いだ手に汗をかく。
知佳は汗ばむ手の平に嫌な顔せず、松岡と話をしている。
「知佳ごめん。俺汗っかきだから」
すると、知佳は俺を見上げて
「いいの。雅彦と手を繋ぐの久しぶりなんだから。」
そう言ってニコッと笑った。
背は153cmで小柄、今日の知佳は薄いピンクのノースリのワンピースを着ている。
所々のフリルが可愛い。
足元は白のウエスタンブーツ。
髪はボブショートで
栗色の髪が軽く巻かれてた。
可愛い。
薄目のメイクでも、目元はくりくりしていて、自分の彼女に惚れ惚れする。
「雅、知佳ちゃん見つめ過ぎ。何今更、自分の彼女に見とれてんの。」
松岡が俺を見て、呆れながら言った。
「うるさいっ」
俺は照れて、窓の景色に目を反らす。
「ねぇ、知佳ちゃん。」
松岡が冷やかす。
…うるさいなぁ。久しぶりに会うんだ。知佳を見つめて何が悪い。
本当なら今日は二人きりでデートだったのに。
お前が邪魔したんだろう!!
知佳は松岡と俺を見てクスッと笑った。
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