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「足元には気をつけて…」
アナウンスが聞こえる。
知佳はいつのまにかさっちゃんと手を繋いで、電車を降りた。
「松岡あのな」
「分かってるよ、後で説明する」
前に手を繋ぐ女子二人を見ながら、小声で話す。
まぁ、いいか。
ホームは凄い人混みだった。
俺達が降りた電車はまた多くの人が乗っていく。
吐き出された人と、乗り混む人で、今にも小さい知佳達を見失いそうだった。
「知佳っ、ちょっと待っ…」
知佳が振り返る。
さっちゃんが振り返る。
俺はこの瞬間、時が止まった気がした。
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