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そうこうしてる内に家に着いた。どんっと構えた日本家屋がよかったが、まあ何処にでもある今風の家だ。
「ただいま」
家に入り自分の部屋へ向かう。
「おっ、美咲いい所に帰ってきた」
「…」
「おい美咲!」
「…俺の事は源十郎と呼べって言っただろ!」
俺の本名は徳川 美咲。硬派な俺には似合わないので源十郎と名乗っている。こっちの方が硬派でカッコいいだろ?
「…この厨二病野郎が…私にたてつくのは百万年早いんだよ!」
「なんだとこのっ!」
…俺はあっけなくマウントを取られ降参した。
「ったく、最初から素直に返事すればいいのよ…」
この狂暴な女は徳川 圭(けい)。2つ上の姉だ。残念ながら未だ圭に勝った事は一度もない。人に言わせれば可愛くて世話好きで勉強もそこそこ出来るらしい。家では俺に命令するわ歯向かえば暴力振るうわで俺も頭が上がらない存在…あの細い体のどこからあんな馬鹿力が出てくるのか不思議なくらいだ。
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